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Vocal Percussion for beginners

第1回 ボイスパーカッションの練習ってどうやるの?

このコラムではボイスパーカッションのエピソードや解説などを載せていきます。まず初回の企画として、「ボイスパーカッションの練習方法」について取り上げます。私の演奏や指導の経験から整理したものを書いてみます。
ボイスパーカッションを習得する上で大切なポイントは2つ。「発音」と「歌」です。「発音」というのはどのようにドラムやパーカッションの音を口から出すかというテーマであり、音が出てくるまでの仕組みを理解し、安定した音を出すための呼吸法をマスターする必要があります。次に「歌」というのは、リズムそのものの歌い方のことであり、音楽で使われているリズムの種類を整理して知識を持っておくことと、様々な音楽を聴いて触れながら、グルーヴ感を養っていくことが不可欠です。両者は互いのバランスが大切で、相互作用を働かせながら学ぶことが大切です。今回はその中から「発音」に的を絞り、まずは「呼吸法」とそれを用いたBase Drum, Hi-hatの音の出し方にいたるまでをお話しいたしましょう。

まずは呼吸法?!

ボイスパーカッションで音量や音圧・音色を安定させ聴きやすい音を作り出すには、まず肺からの空気の送り出しを安定させる「呼吸法」の訓練が必要になります。これをマスターすることにより、安定した息を口に送り出せるようになります。
自宅でおすすめのトレーニング方法として、「20秒トレーニング」というのがあります。これは息を吸ったところから最低20秒間息を吐き続けるというものです。ポイントは息の流れを「少量で一定に」です。あまり大きな音を出そうとして息をたくさん使ってしまうと20秒持ちません。それから、音色にも要注意です。特に初心者の人は、息を吐く間に所々音のゆれが生じます。ゆれが無いように一定の息で何度も練習します。
息の量が出すぎて20秒持たない人は、口の前にティッシュペーパーを垂らして練習してみてください。ティッシュが動くようだと息が強すぎると思われます。ティッシュが動かない息の流れと、それに反して音は大きく出るというポイントを探してみてください。

<Key Point>息を長く持たせるために、たくさん吸ってから少しずつ息を吐いて音を出します。イメージとしてはポンプと蛇口の関係です。ポンプからの水の送り出しは低い圧力で一定に行い、蛇口の開閉で流れを調整します。このポンプにあたるのが肺(横隔膜)であり、蛇口に相当するのが歯と舌による発音部分です。(舌の位置をどこにするかについては後で説明します)

口の中の空気を利用する

肺からの送り出しを練習しながら、今度は口の中の空気を利用した発音を練習します。
実は、吐く息をそのまま演奏に使おうとすると、音にスタッカートのような切れが出なかったり、早く息が無くなってしまいます。そこで、それを防ぐために口の中の空気だけで音を出します。これは、肺からの送り出しとは切り離して口だけで音を作る技術、すなわち、息を止めた状態でも音が出せるという技術です。これが出来るようになると、息を節約して使いながら、音の強弱や微妙なニュアンスを表現できるようになり、ゆえに長時間の演奏やテンポの速い曲が楽にできるようになったり、音の粒立ちがきれいなるといった効果があります。
具体的な練習方法を記しておきます。まず、「口の中の空気」を作ります。どういうことかといいますと、まず「アー」といいながら口を閉じてみて下さい。このとき、口の中には空気が入ったままになって、ちょうど風船のようになっていると思います。これが「口の中の空気」です。この状態で舌先を上の前歯の付け根付近(「タ」と言う時の舌の位置)にしっかりつけます。そうすると舌と天井との間に空間が出来ると思います。その空気を押し出して「ツー」と音を出すのです。コツとしては、音を出す直前に先ほど閉じた唇を半開きにして、少し歯を見せた「イ」という形にするとやりやすいと思います。くれぐれも口を半開きにしたときに舌と天井との間の空気を漏らさないように注意して下さい。
これが「口の中の空気を利用した音」になります。

<Key Point>息を止め、口を閉じたときに口の中に出来る空気を使って音を出します。舌と口の上部の天井との間に出来る空間に空気をしっかり密閉し、そこで唇を「イ」のかたちで開き、「ツー」という音を出してあげます。肺からの送り出しに影響されない、独立した音を作ることがここでの目的です。

Bass drumとHi-hatの舌のポジション

安定した息が送り出せることと、息を止めても音を出せるようにする練習は、バスドラとハイハットを出しながら訓練を重ねていくと効果的です。
先ほどの「口の中の空気を利用した音」でお話した、「ツ」の音はそのままハイハットとして使えます。バスドラはその位置で「Du」(ただ し無声音)と発音すれば良いのです。このとき声帯は音を出していないので注意してください。ここでもう一度舌の位置を説明しておきますと、まず、ほとんどの音は基本的に前歯の後ろにある少し盛り上がったところに、舌を半分くらい押し当てて作ります。次の3つの基本音…バスドラ、ハイハット、スネアは全てこの位置で作ります。(スネアについては別の機会に説明)
皆さんの口の中で音が出やすいところはどこでしょうか?これまでの説明を頼りにさがしてみて下さい。その位置が見つかったらそこを基本の「発音ポジション」とします。いつでもその位置に舌を置くことが出来るように覚えておきましょう。次に実際に音を出しますが、このとき気をつけなければならないのは、いずれの音もしっかりと舌のポジションを正確に置いてから発音することです。まず息をたくさん吸って止めてください。吐かずに我慢します(くれぐれも苦しくなったらトレーニングを中止してくださいね、酸欠になったら大変です!)。舌を発音ポジションに置き、次にそこから先ほどの「口の中の空気を利用した音」を出す要領で音を出します。
「基本ポジション」に舌を置いてから発音に移す…、この「舌の準備」と「発音」を、最初はゆっくりと時間をかけて練習します。慣れてくるとそれがだんだんと早くなって、ゆくゆくはほとんど瞬間的にできるようになります。最初のうちは大変ですが、地道にやってみてください。

<Key Point>先述した「口の中の空気を利用した音」を利用して、バスドラムとハイハットの音を区別して出せるようにします。舌の位置を正確にとらえてから発音することを常に意識しましょう。最初は「1・2」と数えながら、1で「舌の準備」、2で「発音」と分けて、ゆっくり練習しましょう。慣れてきたら、バスドラとハイハットのコンビネーションが様々なパターンをつくり、リズムの中で練習してみて下さい。

LinkIcon(第2回に続く)

IMG_2211.JPG台湾アカペラフェスティバルでのワークショップの様子(2008.10.21)
IMG_2223.JPGティッシュペーパーを口の前にたらして息の量をチェックIMG_2213.JPG北村の演奏スタイルIMG_2216.JPG韓国のボイスパーカッション奏者humil Choi 君の演奏スタイル。
IMG_2150.JPG英国「Swingle Singers」メンバー、Tobiasの演奏スタイル。

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